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多くの物理破壊業者が使うHDD物理破壊装置にてSSDを壊した場合、どのようになるのか?

2022/08/10

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SSDやM.2などを物理破壊によるデータ消去の適切な方法とは??

 今回は多くのデータ消去業者が使用しているHDD(ハードディスク)物理破壊装置でSSDを物理破壊した場合、破壊したSSDは内部でどのようになっているのか、実際に一般普及しているHDD物理破壊装置を使用し、一般的に普及している2.5インチSSDに対して、物理破壊した場合、内部がどのようになるのか確認していきたいと思います。

 その上で当社ではどのようにしてSSDを物理破壊を行っているのかご紹介していきたいと思います。

多くのHDDデータ消去業者が物理破壊作業で使用する[日東造機 クラッシュボックス]とは・・・ 

 私達、HDD(ハードディスク)等のデータ消去に伴う方法の中で一番多く採用されるのが物理破壊によるデータ消去だと思いますが国内向けの物理破壊装置で有名な物を上げるとすると[日東造機 クラッシュボックス]というHDD物理破壊機が一番有名だと思います。

 こちらのHDD物理破壊機は私が知る限り細かな仕様を変更しながら10年以上販売されているHDD物理破壊機のスタンダートモデルを確立したと思うほど有名な物理破壊機だと思っています。

 当社が使用している機種は現在、型番落ちしてしまったみたいでメーカーホームページなどにはありませんが過去を含めてもHDD物理破壊機のメーカーは国内でもいくつかありますが一番出荷台数が多いのはこの機種だと思います。

 また、日東造機様はこれ以外にも新しい製品を作っており、HDD用ではもっと複雑に破壊する後継機やSSDに特化した物理破壊機など本業の油圧装置を使った技術力を様々な製品に生かし、製品を作られているようです。

 今回はそんな当時のスタンダートモデル:クラッシュボックス DB-25ⅡPro を使って実際にSSDを加圧圧縮した場合にどのようになるのか比較したいと思います。

SSDを[DB-25ⅡPro]で物理破壊によるデータ消去した場合はどうなるのか?

 では、実際にこのHDD物理破壊装置:DB-25ⅡPro でSSDを物理破壊を行った場合にどうなるのか壊した結果を以下の写真にまとめてみました。

 

実際には外部的には4本のピンに押されて壊れているようになりますが実際に外側のカバーを外して内部基盤を見てみると部分的に壊れている部分や全く壊れている部分があります。

 これはSSDの特徴でもあるそれぞれの黒いチップ部分にデータを分割して保存している為、これらすべてが壊されていないと実質的にデータを復元できてしまう危険性があります。

 従来のHDDの場合はデータ領域が円盤状のCDのようなディスク上の記憶媒体へデータを刻み込んでいくようなイメージで書き込みや呼び出しなどを行っていたため、ディスクに傷がついたり、全体が変形してしまえばほぼ読み取ることは不可能になり、復元しようとしたとしても難しいケースが殆どだと思います。

 実際、メーカー側が専用機を出している通り、専用機は細かなピッチで全面を押しつぶすようなやり方を取っている為、HDD専用機でいくら物理破壊をしたとしても隙間が多い為、すべてのデータ領域を破壊することが出来ません。

 このことからわかる通り、SSDについては従来機で対応しようとしても実際には中身が壊れていないリスクがあるということが分かります。

SSDを物理破壊によるデータ消去する場合、どのような破壊方法が一番いいのか?

 では、SSDを物理破壊によるデータ消去をする場合はどのような方法が一番いいのでしょうか?

 現状ではSSDの物理破壊によるデータ消去を行う場合、以下のような方法がとられているのが一般的と考えられます。

 

1:油圧設備等による加圧破壊方式

 従来の多くのHDD物理破壊装置と同じで油圧などにより押し出した穿孔ピンで記憶媒体にあたるメモリーチップ部分をを圧し潰す事で物理的に破壊を行いデータ消去を行う方法です。

 現在は日東造機でも販売されている細かなピッチに穿孔ピンをつけてほぼ全面を押し潰す方法や細かなピッチの凸面と凹面に合わせて全体をプレスして押し潰す方法などいくつかの加圧方式があり、多くの物理破壊メーカーがSSD専用の物理破壊機を販売しています。

 これらのメリットは専用機であることから設備自体が小さく、移動などする際にも人力で移動することが出来、出張対応などを行う際に便利ではあります。

 デメリットを考えた場合、設備一台につき、1個づつしか破壊出来ない事や導入するための費用面でもそれなりの金額がかかる為、小規模事業者においては中々導入するための費用などを捻出するのが難しくデータ消去を専門で行う業者以外では導入するメリットが少ないものと考えられます。

2:破砕機を用いた物理破壊方式

 加圧式以外の物理破壊方法として多いのが複数の金属鉤歯が回る機械装置に記憶媒体ごと投入し、粉々に砕いてしまう破砕機を用いた処分方法などもあります。

 これらのメリットは記憶媒体が確実に粉々にされ、復元できないレベルで壊すことが出来る事や一台の設備で何個もまとめて処分できるため、作業性が良く短時間で処理を完了することが出来ます。

 ただ、デメリットとして設備が大型になりやすいこと、破砕機の動力用電源として三相200V電源の確保が必要になることや破砕設備の設置場所なども確保しなければならないなど設置段階におけるデメリットも多く散見されます。

 また、移動式でこれらの設備を導入する場合は多くは大型クラスのトラックにすべての設備を載せることになる為、加圧方式の設備以上に導入費用が掛かってしまうと思われます。

設備として両方ともに作業性は抜群だが導入費用や設置場所確保などそれぞれに導入障壁がある。

 大まかにはこのような破壊方法が一般的ではありますが両方とも導入となる為の価格面や設置場所など導入障壁となる部分があり、小規模の事業者などが自社で導入となると二の足を踏む状態が多いと思います。

 また破砕装置の場合はそれなりの設置場所を確保しなければならず、加圧破壊方式の設備に比べると作業効率は格段に高いですが導入するためのハードルはより高いものとなり、一事業者が自社で保有する設備としては現実的な設備ではないと思われます。

 これらを含め、導入する事業者があるとすればそれなりの規模がある事業者や官公庁などを含む個人情報保護に力と財力を向けれる企業や団体だけが実際には導入しているのが実情と思います。

当社ではSSDの物理破壊については両方のメリットをとれ、軽トラックに乗せられる小型破砕機を導入。

 このような様々な破壊方法がある中で当社のような物理破壊を専門で行う業者をご検討いただいていると思いますが当社はSSDの物理破壊をご依頼された場合、自社設備は破砕方式による物理破壊装置にて対応させていただきます。

 一番の理由は細かく破砕して混ざってしまえばどのような技術が出来上がったとしてもチップが混ざってしまった時点で天文学的時間を要さなければ復元は難しく、これらを復元するメリットが費用面を上回ることから確実に復元できない方法を検討すると破砕方式の方が確実であると考えたためです。

 ただ、小型である為、大量にまとめて処分することが出来ないなどのデメリットはありますが記憶媒体からの情報漏洩という問題についてはこれ以上の方法がないと考えます。

 また、当社でも力を入れている基盤類のマテリアルリサイクルなどをする場合においても破砕しておいた方が容積が小さくなるため、この方式をとった方が保管上の容積削減や運搬時のの効率化などメリットが多いと考えたためです。

 それ以外でも以下のような写真のように基盤が粉々になるところをお客様が現地で確認できるのは一番安心いただける為、当社では破砕方式にてSSDを破壊させていただいております。

 以上の事からSSDの破壊方法も様々なやり方があると思いますのでお客様が一番安心できる破壊方法をご検討いただく際の参考になれば幸いです。

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