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データ消去の為にHDD(ハードディスク)物理破壊機を使用した場合のHDD内部状態の検証してみました。

2022/08/12

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HDD(ハードディスク)が実査に物理破壊されたときの内部状態を検証してみました。

 様々なデータ消去方法がある中で総務省が推奨する消去方法の中で当社が一番確実かつ安全に処分する方法は物理破壊であると考えており、新しい技術などでデータ復元される可能性などを考えた場合、物理的に復元出来ない形で処分を行うのが一番問題が発生しないと考えています。

※当社のデータ消去に伴う電子記憶媒体の物理破壊サービスに関する詳細や総務省を含むデータ消去に伴う各種定義についてはHDD(ハードディスク)・SSD物理破壊データ消去サービスをご覧ください。

 その中でお客様からHDD(ハードディスク)を物理破壊するとして、どの部分にデータが保存されており、確実に破壊しなければならないのはどの部分か聞かれることがあります。

 今回はハードディスクの心臓部であるデータ記憶部分であるディスク部分と物理破壊機を使用した場合にどのように破壊されデータが復元できなくなるかを検証していきたいと思います。

 

ハードディスクはこの部分にデータが保管されています

3.5インチHDD 外部

2.5インチHDD 外部

3.5インチHDD 内部

※内部がアルミプラッタを利用した物

2.5インチHDD 内部

※内部がガラスプラッタを利用した物

 上記のようにHDDの多くは規定サイズの3.5インチもしくは2.5インチサイズのアルミハウジングケースの中にプラッタと言われる円盤状のディスクがあり、このプラッタ部分に磁化ヘッドでデータを記録していきます。

 また、プラッタの素材も様々な物があり、一般的にはアルミやガラスに金属を蒸着させてたものなどが多く、このプラッタ部分が変形・破損するとデータを読み込んだり、書き込んだりすることが出来なくなるため、衝撃や物理的な圧力などに気を付けて使用しなければなりません。

 プラッタ以外にも磁気ヘッドの付いているアームと言われる磁気ヘッドの位置調整する部品がありますがプラッタと磁気ヘッドのクリアランスはとても精密なため、これらも同様に衝撃や圧力に弱く、HDDが壊れる際の最も多い原因になっているのではないかと思います。

 このようにHDD(ハードディスク)のデータ消去を行う場合、データが保管されているプラッタ部分の物理破壊もしくはデータを読み取る磁気ヘッドアームの2点のどちらかがしっかりと物理破壊されていれば実質的なデータの復元は難しい状態になると言えます。

 その為、個人レベルの少量のHDDを物理破壊したいのであればHDD本体の上蓋をあけた上で中身のプラッタ表面を傷つけたり、穴をあけたり、磁気ヘッド部分を壊してしまえばほとんどの場合、使用できなくなります。

 ただ、HDDを分解するために専用工具が必要であることや分解から物理破壊迄の時間を考えた場合、初心者の方ではかなりの時間を要することもありますのでその点に注意が必要です。

物理破壊機を使用してHDDを破壊した場合、どこの部分が破壊されるのか?

 ここでは、実際にHDDを物理破壊機を使って3.5インチと2.5インチの両方のHDDを破壊していきたいと思います。

3.5インチHDDの物理破壊 外観

2.5インチHDDの物理破壊 外観

3.5インチHDDの物理破壊 内部

※アルミプラッタの場合

2.5インチHDDの物理破壊 内部

※ガラスプラッタの場合

 当社で使用しているHDD物理破壊機は日東造機のクラッシュボックスという物理破壊機になりますが当社が導入している物理破壊機はHDDのみを破壊するための専用機となる為、SSDなどは適切に破壊することが出来ません。

 その為、当社ではSSDは専用の破砕機を用いた上で破壊を行っております。

 その上でこの設備でHDDを破壊した場合どのように破壊されているのか検証していきたいと思います。

 この設備の場合は4本の穿孔ピンを油圧で押しつぶすことで破壊を行う方式になりますが外観上では穴が開いている以外、破損状況が分かりません。

 そこで物理破壊後のはハウジングケースの上蓋を開いた上でプラッタの状態を確認してみます。

 まず、3.5インチハードディスクは穿孔ピンでプラッタ部分を押しつぶし磁気ヘッドがついているアームも変形していることが確認できます。

 上記でも記載してある通り、基本的に磁気ヘッドのクリアランスがシビアな製品ですのでアームが変形することで製品として致命傷なことが分かります。

 また、ディスク自体も変形させることで平面性が重要なプラッタを元の状態に復元することが難しいことも分かると思います。

 2.5インチの方はガラスプラッタの為、粉々になってしまい、実質的に復元は不可能だと思います。

 このように三次元的に変形や破損させることで復元を不可能としているのがHDD物理破壊機の特徴だと言えます。

 また、作業性を重視している為、大量の破壊にはHDD物理破壊機を使用したほうが早い為、人員をかけて自分達で物理破壊を行うよりも専用設備を使用することで適切に早く物理破壊を行う事が出来ると思います。

HDD(ハードディスク)の物理破壊は自分でやるかは数量次第

 今回はお客様がよく疑問に思うHDDの物理破壊の状態について検証をしてみましたがいかがでしたでしょうか?

 HDDを破壊する場合はここで記載した通り、データを記憶させるプラッタと磁気ヘッド、アームをしっかりと破壊する必要があります。

 また、数量が少量である場合は時間を取って自分達で破壊することも出来ないことはありませんのでチャレンジしてみるのもいいかもしれません。 

 ただ、業務の一環として複数台のパソコンの入れ替えなどでまとまったHDDの物理破壊を検討される場合は当社のような専門業者をご利用いただく方が日常業務の生産性向上や業務進捗に寄与することが考えられます。

 HDDの物理破壊をご検討されるお客様の検討材料になれば幸いです。

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