スマートフォン・タブレットPC・ガラケーの記憶媒体メモリーを物理破壊するにはどこを破壊するべきか?
スマートフォン・タブレット型端末・ガラケーの電子記憶媒体は全部ばらしてみないとわからない
現在、パソコンの普及率も相当な物がありますが実際個人レベルでの普及率はパソコンよりもスマートフォンの方が圧倒的に多いものと思います。
以前に多く使われていたガラパゴス携帯電話(略称:ガラケー)やタブレット型端末も企業向けに普及するだけでなく多くの個人に広まり、今ではどれかしらの一つは多くの人が所有していると思います。
その中で多くの人が所有すると共に製品の買い替えをしていると買い替えの度に、多くの人が処分に困っているものだとも言えます。
多くの人が処分に困る理由として使用中に保存した多くの個人情報が入ったスマートフォンやタブレット型端末、ガラケーなど保存していたデータ流出などを考えた場合、安易に処分するとそこからデータ流出する可能性がある為、多くの方がそのまま持っているケースは非常に多いと思います。
そこで今回はこれら個人が所有する機会が多い、スマートフォン、タブレットPC、ガラケーの個人情報が保管されているメモリー基盤が見えるところまで分解し、どこまで分解すると物理破壊できるか検証結果をまとめていきたいと思います。
①スマートフォンを分解し、メモリーチップを探してみる
まず、スマートフォンについては近年のスマートフォンと初期の頃に出始めたスマートフォンでは少し作りが違います。
①本体の形状の違い
初期型 裏蓋方式
一体接着方式
※全体がガラスコーティングされている物全般
左上の写真の通り初期に発売されたスマートフォンの多くは裏蓋取り外しができるタイプが多かったですが近年のものは外観上の見栄えを優先するため、蓋のような物を取付せず、本体側と一体にして接着する方式が殆どになります。
その為、近年の一体接着方式のスマートフォンの場合、メイン基板にアクセスするには専用の道具を使用し、ガラスと本体の接着剤の接着力を落とした上で表面材と本体側ハウジングが浮き上げやすい状態を作る必要性があり、以前よりもメイン基板にアクセスするのが難しくなりました。
この辺りになると一般の方が行うには技術的な部分でもメイン基板へのアクセスはかなり難しくなっていますがそれ以外にも取り扱い方や外し方などを間違うとリチウムイオン電池の発火などの危険も出てくるため、裏蓋が外せないもので物理破壊をすることを検討される場合は安全に作業が出来そうか検討された方がいいかと思います。
次に右上画像ののメイン基板の形等の違いについて確認してみましたが大きな違いはありません。
実際、多くのスマートフォンは構造的には昔からそれほど変わっていない構成ですので大体同じような構成になると思います。
初期型 裏蓋方式 分解前の状態
初期型 裏蓋方式 分解後の状態
一体接着方式 分解前の状態
一体接着方式 分解後の状態
メモリーチップ 搭載一例
メイン基板の破砕後
次にデータの記録しているデータ保管用チップに関しては写真の通り、SAMSUNや東芝、サンディスクなどのロゴの入った黒チップがSSDのメモリーと同じ役割をしています。
ただ、当社の場合はそれらの特定をするよりもメイン基板毎破砕してしまう方が余計な手間がかからない為、当社の場合はこの時点で基盤を取り外してこのまま破砕機にかけてしまいます。
一番いいのは行政の処分方法に合わせて処分を行う事だと思いますがスマートフォンの大半に搭載されるリチウムイオン電池は非常に発火性が高い為、必ず捨てる際には可燃ごみなどに混ぜることなく適切な処分方法やメーカーが指定するリサイクルボックスなどを利用して捨てるようにしましょう。
②タブレット型端末を分解した場合
次にタブレット型端末になりますがこちらもスマートフォンとほぼ同じですがメイン基板やバッテリーの容量が大きかったりする以外はそれほど中身自体は変わりません。
今回、分解を行うのはアンドロイド搭載のものを分解していきますがi-Padやwindows搭載型2in1パソコンなどの場合はこの限りではありませんのでご了承ください。
アンドロイド搭載 タブレット端末本体
本体に対する基盤の大きさ
それでは実際にタブレット型端末の場合、インチ数によって大分大きさが違うため、比較する内容が少し変わりますが今回は左上画像の通り、アンドロイド搭載端末 で基盤の大きさや構成が違うのか確認しましたがスマートフォンとほとんど変わりがないことが分かりました。
また、スマートフォンと各タブレット型端末の基盤の大きさなども比較しましたが基本的にスマホの方がかなり小さいイメージがあります。
実際、スマートフォンが購入時に高いのは大きさの制約などが殆どを占める為、小さいメイン基板にタブレット型端末と同等の機能を盛り込むわけですから、限られたスペースを最大限活用するため、部品全体が小さくなるため、タブレットよりも高価な部品を使用することになります。
その為、全体的なコストが上がる為、高くなるのは致し方なくその時の技術の粋が詰まっているとも言えます。
但し、今回写真で写しているHUAWEIやOPPOなどの中国製タブレットの場合は注意が必要な部分があり、コストカットをするためかバッテリーが本体側に強力に接着しているものがあり、取り外すことが非常に難しいものがあります。
このようなタイプのバッテリーは取り外し自体が難しく、無理に外すとリチウムイオン電池の電極同士が内部でショートを起こし火災を引き起こす可能性がある為、バッテリーに強い力や衝撃、破損させてしまう可能性がある場合は絶対に無理して取り外さないようにしましょう。
もし、外せない場合も各市町村の行政が指定する処分方法で処分することも可能なので必ず、各市町村のゴミの処分方法を確認してください。
③ガラパゴス携帯電話(ガラケー)を分解し、メモリーチップを探してみる
最後になりますがガラパゴス携帯電話(ガラケー)のメイン基板にアクセスし、メモリチップの破壊を試みてみます。
スマートフォンとタブレット型端末とガラケーの違いはほとんどの機種が裏蓋がついており、バッテリーの取り外しは容易ですが一番の違いは二つ折りの機種が多く、意外とメインの基盤にたどり着くのが大変な物もあります。
今回は一般的な折り畳み以外の携帯端末を分解してみました。
ガラパゴス携帯電話 本体
ガラパゴス携帯電話メイン基板
分解した結果はほとんどスマホと変わらず本体カバーと基盤が綺麗に分解できます。
ただ、基盤の記憶媒体になるメモリーチップについてはどの部分が対象になるのか判別できませんでした。その為、万が一直接メモリーチップを物理破壊したい場合はすべての黒いチップ部分をつぶすなどするのが確実な方法だと考えられます。
分解破壊は手間がかかるが確実に電子記憶媒体を破壊可能。しかし、バッテリーなどの取り扱いには要注意
以上の事からどの製品に関しても的確にメイン基板を探して壊すことでデータの抜き取りや復元性を極力なくすことが出来、安心して処分をすることが出来ると思います。
ただ、一般家庭や設備が無い状況で分解することは感電や火災などの原因になり、迂闊に家庭ごみに混ぜて捨ててしまうとゴミ収集車や市の清掃工場などの火災原因になってしまうこともある為、適切な処分先の選定が出来る場合以外はあまりお勧めする事ではありません。
また、当社はこのような分解をするための設備や基盤・充電電池、液晶モニターのリサイクル先やリサイクルできない場合の処分先なども取引がある為、これらの解体代行業務を請け負うことも可能ですが個人レベルでこれらを探して処分を行うのは難しいと思うので設備や処分先などが用意できそうにない場合は無理に行わず、他の処分方法も検討された方が宜しいかと思います。
今回の内容についてはこれらのリスクを含め、自分で行う場合は細心の注意をした上で自己責任にて作業を行うようお願いします。
以上、スマートフォンやタブレット型PC、ガラパゴス携帯電話の分解による電子記憶媒体の物理破壊についての検証まとめになりますがいかがだったでしょうか?
実際にこれらの作業をするのは設備などの環境も必要となりますので無理をなさらず、適切な処分方法を検討していただければと思います。
他ではやらないけどどこかでやってもらいないか?自分ではできないけど代わりにやってもらえないか?そんなあなたの希望にお応えします。
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